横須賀線・総武快速線のグリーン車七変化
横須賀線・総武快速線、そして東海道線の113系は何といっても15両編成の勇姿が特徴的ですが、中間のグリーン車2両がそれを一層引き立てていることは言うまでもありません。
東海道線の113系グリーン車がいなくなってしまった今、スカ色のグリーン車は元より113系のグリーン車自体が昔話となりつつありますが、スカ色の113系グリーン車を振り返ってみたいと思います。
↑マリ103編成：サロ110-1274（98.10.10 千葉駅）
最もオーソドックスなグリーン車であるサロ110-1200番代です。ユニット窓がずらっと並ぶ姿は特別車両としての風格を醸し出していると今見ると思いますが、当時はありふれたグリーン車であり、車内も特急普通車と同じ簡易リクライニングシートとそれほど豪華でもありませんでした。
↑初期型のサロ110-1200代（津田沼駅）
サロ110-1200番代は年代的にはシートピッチ改善車の1500・2000番代と同期に近いのですが、正確には2年早い1976年から製造されていました。このため、初期型はトイレ窓が1000'番代までと同じ大型のタイプとなっていていいアクセントとなっていました。
↑サロ113-1003（市川駅）
幕張区（1両だけ大船区にいましたが）名物のサロ113-1000番代です。1973年にグリーン車の体質改善を狙って投入されたもので、形式だけ見るとサロ110-1200番代よりも若そうですが先輩にあたります。
特急グリーン車と同じシートが設置されて大幅なグレードアップが図られましたが、定員減により初期に導入された横須賀線では特に指定席にようになっていたラッシュ時に不評で一時期関西へ転出します。
幸い総武快速線にグリーン車が入るときに再び上京し幕張区に主に所属、本来業務に復帰しました。 結構グリーン車の乗客は座席の豪華さからこのサロ113を狙っていた人も多かったようですが、グリーン車を外から眺める専門であった私を初めとする人々にとっては、サロ110-1200番代が多数を占める中、同じような外観ながらユニット窓が広くゆったりとしたイメージを持つサロ113はいいアクセントになるようにも思いますし、何か間の抜けた感じだなあ…とも思ったりして感じ方は人それぞれだったようです。
最終的にはサロ113の方が先に運用離脱することになり、98年12月を持って形式消滅してしまいました。
↑サロ110-1302（市川駅）
国鉄末期の頃、老朽化した113系の初期型グリーン車を置き換えるため、特急型グリーン車を格下げした車両が大量に導入されました。当然車体断面が違うのでサロ113以上にインパクトがありました。また特急型グリーン車なので車内もフルリクライニングシートであり結構人気があったようです。
これらは出自と地下系（横須賀線・総武快速線用）か地上系（東海道線用）かで細かく番代区分がされ、113系ファンである自分でもわけがわからないくらいだったのですが、最終的には2階建てグリーン車の増備やE217系増備による玉突きにより、横須賀線・総武快速線ではサロ183改造のサロ110-1302が98年夏に運用を離脱して活躍に終止符を打ちました。
この車両は思いいれのある車両です。何といっても私が写真を撮ろうと思ったきっかけとなる車両なのです。格下げグリーン車がいよいよ1両になってしまい、2階建てグリーン車の二の舞は避けたいがために市川駅で狙って最初に撮った写真なのでした。
当線のグリーン車はこれ以外にも多数が在籍しておりました。
地下乗り入れ専用の1000'・1500番代で統一された普通車と違い、サロ110-1200番代やサロ113では全てのグリーン車を賄いきれなかったため、元祖グリーン車であるサロ111、それから153系から格下げされたサロ110がA-A基準改造、冷房改造され93年まで走っていました。
最後の1両はサロ111-1002で、保留車扱いだったのですが末期はたまに編成に入り、2階建てグリーン車との並びも実現してました。私は家族で鎌倉へデータイムグリーン車で行った帰り、2階建てグリーン車目当てに当線のグリーン車に乗った際にたまたまこのサロ111-1002に遭遇し、わざわざ2階建てグリーン車を放棄してこちらに乗車したことがありますが、リクライニングしないけれど肘置きの白い布などに往時の高級感を感じ感動した記憶があります。しかし写真がないのですよ…。
そして、何より90年から走っていた2階建てグリーン車サロ124の写真を撮り忘れたことは今でも後悔しています。車両自体は国府津へ転属しさらに211系化改造されて東海道線などで今でも走っていますが、スカ帯にはもう戻りそうにありませんので。。。まあ、E217系のサロで代用しても素人目にはわからないかもしれませんが、やっぱ違うんだよなあ…。
