たまの乗り物日記

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常磐線から引退する103系(2006年3月17日)

どちらかというと東海道線113系引退の陰に隠れた形になってしまいましたが、06年3月18日改正は常磐線から103系が引退するというほうが話は大きいのかなと思います。

1987年のJR東誕生時は2000両以上存在し、淘汰するなんて永久にないのでは?と思われた103系ですが、ここ数年の怒涛のE231系投入・205系転配によって常磐線からの引退を持って完全に消滅します(正確には、仙石線でしばらく予備車として残るようですが、運用に入るかは微妙)。

東海道線113系は引退しても房総地区で乗ることが出来ますが、103系JR西日本へ行かないと乗ることが出来ません。そんな意味で非常に重要な出来事であったわけです。

ですがネタ的には湘南電車のほうが有名かつイメージが良いので、圧倒的な差がついてしまったようですけど…。

かくいう自分も103系の末期はほとんど興味はありませんでした。その理由はいくつかあるのですが主なものは下記の通りです。

 

・残っている車両が古すぎ

・モーター音がMT55Aではないのがほとんど

・前面が金属抑えになってしまっているのがほとんど

 

自分は総武線育ちなので、1970年代後半の、ユニット窓で、モーター音がMT55Aで、末期まで前面は白Hゴムで…という原形が好きだったのですが、皮肉なことに当時行われた103系への更新工事を途中で打ち切って209系~E231系の投入、淘汰を行ったため、更新工事を受けてない経年の新しい車両が先に廃車され、残った車両は古い車両ばかり、というあり得ない状況になってしまいました。

思い返すと、総武緩行線103系も最後まで残った編成(ラシ327編成)は他線から転入した更新車+前面金属抑えという「これは総武線じゃないだろう」という編成でした。なのでその頃をもって103系を追いかけるのはやめてしまったのでした。

しかしそうは言っても103系そのものがいなくなるというと話は別です。ということで最終日になってしまいましたがお別れ乗車をしにいくことにしました。

 

さて松戸区には103系が基本10両1本、付属5両2本残っていました。その中で、付属のうちマト31編成のM車はMT55Aであるという情報があり、それに乗ることを期待していたのですが、当日はもう1本のマト22編成が投入され、期待はかないませんでした。

 

[松戸区マト7+22編成]

↑取手
15:Mc103-147
14:M'102-313
13:M 103-593
12:M'102-749
11:Tc103-428
10:Tc103-273
9:M 103-749
8:M'102-2006
7:T 103-259
6:M 103-275
5:M'102-430
4:T 103-297
3:M 103-278
2:M'102-433
1:Tc103-274
↓上野

 

最終日の運用は前日の新聞記事に記載があったため、東海道線を見に行くことを考慮し松戸7:58発上野行に乗ることにして松戸駅へ行きました。

松戸駅の同業者は思ったよりも少なかったです。というか上野駅を除いては各駅とも数えるほどで、この後の東海道線とは大違いでした。東京東部で朝だと沿線住民しか行きづらいというのもあるでしょうが、何より113系ほど一般受けしなかったからだろうと思います。

今日は朝から強い風が吹いておりダイヤ乱れを心配しましたが、無事103系が15両で入ってきました。こう見るとやはり壮観です。

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↑マト7編成:クハ103-274(06.03.17 松戸駅

 

最後尾は年代もののクモハなのでヲタヲタしい人物がちらほらいましたが、それ以外は普通の通勤風景でした。

しかし7:58という時間にしてはすごくすいていたように思います。つくばエクスプレス開業により常磐線の客が減っているというのは聞いていたのですが段々と実感できるレベルに達しているのが一見さんでもよくわかるように思います。

事実、今日でこの103系は引退ですが、ダイヤ改正で代わりの編成は補充されずに、本数が減便されるようです。

 

思えば103系に乗るのはかなり久しぶりでした。前乗ったのはいつだったかな…と思うほどです。

今や209系以降の新型車両に慣れきってしまったので、ものすごく古色蒼然とした印象を受けました。特に最後尾のクモハは昭和43年製の常磐線生え抜きで、さらに今や珍しい特別保全車であることから、昭和の薫りがぷんぷんとしていました。

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↑マト22編成:クモハ103-147(06.03.17 南千住駅

 

常磐線の醍醐味はなんといってもモーター音を唸らせる快速運転です。

これがMT55Aだったらなお良かったのですが、それでも心地よい(一般人にとってはうるさいでしょうが)サウンドを聞かせながら北千住へ。ここからは各駅停車となり、定刻に上野駅に到着しました。

 

上野駅はさすがに年代ものの最後尾は人でいっぱいでしたが、それ以外はそれほど混んでいなかったので逆側をもう1枚とって、折り返し8:26発取手行となった電車の発車を見送りました。

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↑上野行方向幕(06.03.17 上野駅

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E231系はLEDなので203系でしか見られなくなる取手行方向幕(06.03.17 上野駅

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↑マト7編成:モハ103-749(06.03.17 上野駅

古いクモハばかりが注目されるが白Hゴムの新しい車両も残っていた

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↑マト7編成:クハ103-274(06.03.17 松戸駅)窓が金属抑えじゃなければなあ…

ということで私は無事予定通り見送ったわけですがが、この後強風による遅れに人身事故が重なり、常磐線のダイヤは乱れ、見送った電車は松戸駅で抑止になってしまい、ダイヤ乱れのため新聞記事どおりのダイヤにならず、昼過ぎまで走っていたということです。午前で引退しなかったのはせめてもの抵抗でしょうか?

なおこの後4月に北千住-取手間で引退列車が走りましたが、ヘッドマークも付いており相当な混雑が予想されたので自分は敬遠し、普段の姿をもってお別れとしました。

 

あれほどいた103系が今や西日本に行かないと見れないとは…と思うと感慨深く、同時に月日の経つ早さを実感してしまいます。。

 

■本館記事(http://tamazo-diary.seesaa.net/article/15748002.html)もご覧ください。