房総を走る湘南色の113系 - たまの乗り物日記

2009年6月、JR東日本千葉支社は、113系の一部を湘南色に塗り替えることを発表しました。

懐かしの国鉄カラーを復活させます～１１３系湘南色車両、久留里線国鉄色車両が運転開始～
http://www.jrchiba.jp/news/pdf/20090619shounan.pdf（リンク切れ）

千葉を運行している１１３系電車の一部を湘南色（緑色とオレンジ色のツートンカラー）に塗りなおし、６月２５日（木）より運行します。１１３系電車は１９６３年に導入され、東海道線がみかんの産地であったことから「みかんと葉の色をイメージ」した湘南色で運行を開始し、２００６年３月を最後にＪＲ東日本管内の東海道線での運行は終了しています。千葉では、１９６９年に導入され「砂浜と海の色をイメージ」した横須賀色（紺色とクリーム色のツートンカラー）で運行を開始し、現在も各線区を運行しています。この度、４両１編成を１１３系電車がデビューした当初の湘南色に車両を塗りなおし、房総の各線を運行します。今後も一部の車両を同色に塗色を変更します。

もっとも房総各線に湘南色は何のゆかりもないわけですが、2006年3月の東海道線からの引退後、2000番代を中心とする車両が国府津から幕張に多数転属してきているので、それらの車両が湘南色にリバイバルされれば、往時の東海道線 113系が再現されることになるので非常に喜ばしい話です。
まず、2009年6月25日より1本目となるマリ117編成が運行を開始しました。

[幕張区マリ117編成]
↑安房鴨川・銚子
4:Tc111-2152
3:M 113-2072
2:M'112-2072
1:Tc111-2056
↓千葉

↑マリ117編成：クハ111-2152（09.09.05 鎌取駅）

この車両は、元をただすと2006年3月17日、東海道線最終運行時の付属編成だったS103編成でした。ただ東海道線で走っていただけでなく、最後の最後まで湘南色だった編成を選んだあたり千葉支社の心意気を感じるところです。
さらに、安房鴨川方のクハ111-2152は、今となっては貴重な白Hゴムなので往時の雰囲気もばっちり残っているのが実に素晴らしかったです。もっとも、幕張の113系は安房鴨川方は幌を装着するので、普段幌をつけることのない東海道線を完全に再現できていないのがちょっと残念でした。
さらに、反対側のクハ111-2056は今回の塗り替え時に黒Hゴムになってしまい、そんなこと知ったことではないでしょうが、どうしてそういうことをしたのか大宮工場のセンスを疑うなぁと当時思ったものでした。

↑千葉行の方向幕と湘南色はやはり違和感が（09.09.05 蘇我駅）

↑湘南色とスカ色の混結は非常に新鮮。いずれ湘南色同士の混結が見たいところ（09.09.05 蘇我駅）

↑マリ117編成：クハ111-2152（09.09.05 蘇我駅）

そして2009年9月16日より、2本目となるマリS62編成が営業開始しました。

[幕張区マリS62編成]
↑安房鴨川・銚子
6:Tc111-249
5:M 113-1254
4:M'112-1254
3:M 113-1253
2:M'112-1253
1:Tc111-1450
↓千葉

↑マリS62編成：クハ111-1450（09.11.07 千葉駅）

しかし残念なことに、1000番代中心のリニューアル車が選ばれ、千葉方のクハは湘南色が似合うとは正直言い難い1000番代となってしまいました。
まあこの時点で6両編成はほとんどがリニューアル車だったので致し方がないのですが、せっかく安房鴨川方クハが0番代であっても、いずれマリ117編成と10両編成を組んだとしても6両編成は千葉方に連結されるため、クハ111-249が先頭に立つことはありません。なので、完全な形での東海道線 113系の再現とはなりませんでしたが、まあこれは贅沢というものでしょう。
本当はもう1本くらい湘南色に塗り替えられないか期待したのですが、結局湘南色化されたのはこの2本に留まりました。また、この2本をつないだ10両編成の登場を期待しつつも、しばらくの間実現することはありませんでした。

そんな中、2009年8月、JR東日本千葉支社は113系の209系への置き換えを発表します。

普通列車の車両変更について
http://www.jrchiba.jp/news/pdf/20090821209kei.pdf（リンク切れ）