たまの乗り物日記

乗り物(飛行機,鉄道,バスなど)に関する記事を紹介しています。

不遇なサハ、幸運なサハ

当線の8号車は弱冷房車ですが、113系の場合サハ111が連結されていました。

暑がりでモーター音好きな私にとっては、サハ111は最も縁遠い車種でした。 しかし長大編成を組む場合も多い113系ですが、同時に分割併合も多い車種であったためにサハ111はあまり活躍の場がなく、当線と東海道線の8号車と、京阪神7連の真ん中くらいしか組み込まれませんでした。なので必然的に行き場を失い不遇な最後を迎える車両も多く発生し同情したものです。 そんなサハ111を振り返りたいと思います。

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↑マリ106編成:サハ111-1022(千葉駅)

最も一般的であったサハ111-1000'番代です。編成途中でありながらトイレ付なので目立つ存在でした。 1000'番代のサハは末期はほとんどが更新工事を受けていました。しかし転用先は東海道線くらいしかないこともあって、そのまま廃車という憂き目にあった車両はモハやクハよりも多く発生しました。ただこれはある程度想定できるはずで、ではなぜJR東は更新工事をやったのか?というのは疑問が残るところです。

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サハ111-1501(市川駅

シートピッチ改善タイプのサハ111-1500番代です。トイレはなくなりました。
8号車はサハが基本でしたが、当初はクハ代用も多く、総武快速線にも結構配置されていました。このクハを追い出したり、1000番代のサハを地上線に転用させるために、サハ111-1500番代は他のモハやクハに比べ多く増備されました。
さらにそれでも足らない分はサハ111-2000番代のジャンパ栓を取り替えて転用しておりました。今では国府津からスカ色の2000番代が幕張へ多数転入していますが、当時は113系2000番代唯一のスカ色として注目される存在でした。 したがって当線のサハ111においては、サハ111-1000'番代に負けず劣らずシートピッチ拡大タイプも多数派を占めておりました。
さてこのサハ111-1501、わかる人にはわかりますね。シートピッチ拡大車の先陣を切って99年3月に廃車となってしまいました。この時点でシートピッチ拡大車の廃車は全くなく、当然東海道線に転属?と思ったのですが、サハ111-1000'番代がほとんど更新車だったこともあってそのまま廃車という驚きの結果になったのです。サハに生まれたが故の不遇ということでしょう。
もっとも2006年現在では、シートピッチ拡大車であろうが113系は容赦なく廃車される存在になってしまってます。ああ、時代の流れは早い。。。

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↑コツK57編成:サハ111-1023(06.03.12 東京駅)

このようにモハやクハに比べ不運な車両が多い中、サハ111-1023は幸運なサハといっていいでしょう。このサハ111-1023は、99年の時点ではマリ113編成に所属していました。そうです、マリ111編成として各種さよならイベントに出て、最終日まで働いた車両なのです。
その後国府津へ転属し、何と3月17日の最終日までK57編成のサハとして活躍していました。横須賀線総武快速線東海道線の最後を掛け持ちで働いた車両は彼だけでしょう。車両にも運不運はあるもんだなあというのを実感してしまいます。
サハ嫌いな私ですがサハ111-1023を少しは見習おうかななんてアホなことを考えてしまうところです。