静岡区の113系
前の記事で書いたように、東海道線の113系は田町・国府津・静岡区が受け持っておりました(田町は91年で撤退、静岡は04年で撤退)。
国府津・静岡受け持ち時代は編成番号から下記のように称されていました。
・基本11両(国府津):K編成
・付属4両(国府津):S編成
・付属4両(静岡):T編成
今回は静岡区T編成についての話題です。
T編成は16編成ほど在籍していました。
基本的には付属編成として運用されていましたが、15両編成は熱海までしか入れないため、基本的に東京~熱海間でしか見ることが出来ず、JR東海車なのにJR東海エリアでは送り込み列車(8両で運転)以外ほとんど見ることが出来ないという変わった車両でした。
この他2002年までは伊東線・伊豆急行線内運用もありましたが、これまた自社線を全く走らない運用でした。
元々同じ113系なので、K・S編成とそう見た目に差はないのですが、一般人でも見ればわかるような差はいくつかありました。主なものをあげると
・15号車に幌がついている
・シートが原形青シートで、シートカバーがある
・優先席がシルバーシートマーク(JR東が優先席を113系に設置する前は唯一の存在であった)
・床がオレンジのものが多い
・運転室仕切りの窓が広い
・先頭の「普通」表示が白抜き表示
・クーラー吹き出し口に覆いがない
…うん、結構ありますね。もっとあるかもしれませんが。
このうち一番大きいのは幌でしょうか。東海道線の113系は15両でも基本~付属間で通り抜けができないので、国府津車は幌がないのですが、T編成は8両編成で通り抜けができるような運用もあるため幌がついていました。
通り抜けができる横須賀線・総武快速線の113系では幌付きは当たり前の光景ですが、湘南色の113系で幌付きは首都圏ではT編成しか見れないため貴重でした。
↑シスT5編成:クハ111-713(03.08.03 大船駅)
運用もユニークで編成にインパクトを与えてくれた静岡区T編成ですが、E231系投入に伴い2004年10月16日改正で東京口の運用から撤退しました。ただし113系の付属編成がすぐに国府津でまかないきれなかったため、12月までは借入という形で運用が継続されました。
その後は静岡ローカルで運用されており、今でも熱海以西でその姿を見ることができ、東京乗り入れの印であるクハのATS-P表記にその名残を見ることが出来ますが、313系投入も迫り、活躍もあとわずかです。記録はお早めに。